住宅街の生活道路を守れ、2017年に大倉山で車のスピードを落とさせる画期的な実証実験

【「新横浜新聞~しんよこ新聞」提供:2017年10月4日配信記事より】住宅街の道路上での事故を防ぐため、大倉山駅近くで画期的な実証実験が行われます。

大倉山3丁目に設置された仮設「ハンプ」、通りかかる車や二輪車は注意深く通行している様子が見られました(2017年10月12日13時頃撮影)

国土交通省横浜国道事務所と横浜市道路局は、大倉山3丁目の住宅街にある生活道路で、通り抜ける自動車の速度を抑制するために、道路上に「ハンプ」と呼ばれる仮設の段差を設けたり、幅員を狭めたりするといった実験を今月(2017年10月)5日(火)から11月1日まで実施すると発表しました。国交省による仮設ハンプを設けての実験は、神奈川県内で初めてだといいます。

実証実験が行われるのは、大倉山駅前のエルム通り側から「ガスト大倉山駅前店」前を経て、「大倉山スカイハイツ」の横を通って環状2号線の新菊名橋へ抜けることができる生活道路(市道大倉山185号線など)。環状2号線から大倉山駅前へいたる“抜け道”としても使われています。

この生活道路は大綱小学校(大倉山4)への通学路にもなっていることから、路側帯が緑色に塗られ、時速30キロの速度制限も設けらていますが、制限速度以上で走り抜ける車も目立ちます。国土交通省などが通行車の「ETC2.0」データを用いて分析したところ、速度超過や急ブレーキの多発が確認されたといいます。

大倉山3丁目で行われる実証実験の内容(国と市のニュースリリースより)

今回の実験で設けられる仮設の「ハンプ」は、路面上に最大約10センチの段差を設けて、通過車の速度を落とすことを狙ったもので、大倉山3丁目内の同道路上に2カ所を設置。

さらには、道路両側を50センチづつ狭める「狭(きょう)さく」も2カ所で行い、大倉山スカイハイツ横から菊名7丁目との境界付近までの間で4つの対策を講じることで、速度低減への効果測定を行うといいます。

都市計画道路の不完全さから、住宅街の生活道路が抜け道として使われるなどして、速度超過車に悩まされている住宅街が港北区内には目立つことから、今回の実証実験は注目を集めそうです。

(いずれも2017年9月7日現在の情報です)

【リンク】

生活道路の安全性向上のため、ハンプ等の試行的設置による実証実験を行います(2017年10月4日、横浜市道路局)