港北公会堂に新たな指定管理者、「ロビーコンサート」などの自主事業を強化へ

【「新横浜新聞~しんよこ新聞」提供:2019年5月24日配信記事より】今年(2019年)4月から運営を担う指定管理者が変わった港北公会堂で、新たな事業者が自ら企画・主催する「自主事業」を強化する方針を示しています。すでに月1回のロビーコンサートを開始したほか、今後は文化イベントなども積極的に行っていく計画です。

館長に就任した臼井さん(左)と副館長の田畑さん

港北公会堂では、行政に代わって日常の運営や管理を民間法人や団体が担う「指定管理者制度」が導入されており、2009年4月から5年ごとに募集を行い、これまで2社が入れ替わりました。

指定管理者として3社目となる今回は、ビルマネジメント事業を展開する株式会社サンワックス(埼玉県熊谷市)と、音楽文化交流事業などを主催する一般社団法人アーツスプレッド(東京都杉並区)の2法人が「共同事業体」となり、2024年3月まで運営を手がけます。

館長に就任した株式会社サンワックスの臼井晃一さんは、「イベント開催時や会議室などの利用時はもちろんですが、近くへ来た際にふらりと立ち寄っていただけるような施設を目指していきたい」といい、着任後はロビーに子ども用の椅子とともに「しかけ絵本」のコーナーを新たに設けています。

4月から始まった「ランチタイムロビーコンサート」は5月が27日(月)、6月は28日(金)に12時15分から45分まで開かれる(港北公会堂の公式サイトより)

先月(4月)15日からロビーを使って始めた月1回の「ランチタイムロビーコンサート」も気軽な立ち寄りスポットを目指す取り組みの一環で、昼休み時の30分間を使って、プロを中心とした演奏家が生演奏を無料で披露するという内容。こうした昼間のコンサートは、近年は都心部のホールで行われているケースが目立ちます。

副館長に就いた一般社団法人アーツスプレッドの田畑紀平さんは、「ロビーコンサートもそうですが、音楽などの自主企画事業を増やしていく予定で、文化系でのイベントでは、小学生が楽しめるような理科系分野の講座なども現在企画中です」と話します。

アーツスプレッドは、昭和音楽大学教授でピアニストの三谷温さんが代表をつとめる法人で、音楽を通じた芸術教育プログラムを各地で実践するだけでなく、音楽家やオーケストラの支援とマネジメントも行っており、音楽と教育分野に強みを持ちます。

5月27日(月)に行われた2回目となる「ランチタイムロビーコンサート」では区民50人以上を集めた

副館長の田畑さん自身も昭和音大卒のコントラバス奏者で、今月(5月)27日(月)の12時15分から行う2回目のランチタイムロビーコンサートには、ピアニストの三谷さんとともに、演奏を披露する予定です。

開館から40年超が経過して老朽化が目立つ港北公会堂では、来年(2020年)5月から天井工事で9カ月間の長期休館を余儀なくされるなど、ハード面では苦しい状況となっているだけに、サンワックスとアーツスプレッドの共同事業体では、今後5年間で自主事業などのソフト面を強化することで区民の満足度を高めていきたい考えです。

【参考リンク】

港北公会堂の公式サイト

港北公会堂の公式Twitter

株式会社サンワックス(指定管理者)

一般社団法人アーツスプレッド(指定管理者)