大倉山でともに暮らす~さまざまなサポートを提供する「場所」がそろう街

大倉山には暮らしを支える場所がいっぱい。

毎週火曜「夢うさぎ」で有機野菜を販売する農家の石澤誠一さん(左)とそれを手伝う藤本真由さん親子(中)。「みんなの食堂」を運営する宇田川規夫さん(右)。自然体な笑顔が印象的。

「大倉山みんながみえる通信」第2号:2017年6月21日発行より】ママやパパたちの子育てを応援する拠点や、いま話題の地域食堂、そして介護の悩みを抱える人たちが語りあえるカフェなど――大倉山エリアにはライフステージごとに、さまざまなサポートを提供する「場所」がそろっています。その理由は、一体なんなのでしょう?

暮らしやすい街は、自分たちでつくる。

特徴的なのは、そのような場所の多くが行政などの主導ではなく、住人たちが自主的に立ち上げたものだということです。

「開設の相談ができる区役所があるから」とか、「小学校の区域の中に商店街があって、教育と生活が身近だから」とか、いくつか推測はできるものの、はっきりした理由はわかりません。

ただひとつ言えるのは、「住民たちの自発的な動きを特別視するよりも、むしろ応援する空気が街全体に漂っている」ということ。人の想いを尊重するこの「空気」こそが、志をもつ人の背中を押し、賛同する人を集め、新たな場所を次々に生む原動力となっているのかもしれません。

誰もが「共に生きる」、よりよい地域をめざして。

「みんなの食堂」に集まった家族。「誰かと一緒にいただく手作りのごはんはぬくもりもあり、本当にありがたいです」と働くママ。

残念なことに、このような大倉山の良さは、肝心の地域の方々にあまり意識されていません。

そこで今回は、経済ベースだけではなく公的な施設でもない、世代や障がいの有無を超えて大倉山に住む人の暮らしを支えるさまざまなスポットをあてました。

地域の人たちが「ないものはつくる!」と立ち上げた場所(拠点)の数々を、その想いも一緒に見つめてみましょう。

大倉山の「ともに暮らす」拠点~小学校

地域社会とのつながりを大事にしています!

大綱小学校

前田隆校長

大倉山4丁目2-1(電話:045-542-0027)

明治6年5月に創立して以来、地元の小学生を144年間も育んできた歴史ある小学校。保護者や地域が学校運営や課題に主体的に加わって子どもたちを支える学校として、地域や社会とのつながりを大事にしている。毎年行っているエルム通り商店街での職業体験はその取り組みの一つ。

「机で学ぶことも大事だし、実際に街に出て街の人の生き方に触れるのも大事。自分たちの勉強していることが、街や社会につながっていることを学び、『自分でも社会の役に立てるんだ!』と実感してほしいと思っています。学校という場所は地域と切っても切り離せない重要な場です。子どもたちにさまざまな地域体験をしてもらい、地元への愛着を育んでほしいですね」(前田隆校長)(2017年6月現在の内容です)

大倉山の「ともに暮らす」拠点をご紹介

街の「困った」に気づき、できることでサポートを!と立ち上がった”拠点”の数々。
相談に行くもよし、ただのぞいてみるもよし。
どこにどんな拠点があるか知っておくと、いざというとき役に立つ場面があるかも?!

大倉山の「ともに暮らす!MAP」(クリックで拡大)

(1)港北区地域子育て拠点 どろっぷ
大倉山3丁目57-3(電話:045-540-7420)
開館日:火~土 9:30~16:00

江口知佳さん

主に0歳から未就学児・妊婦さんとそのご家族、地域で子育てを応援している方のための、無料で利用できる地域密着型子育て支援施設。小学生からシニアまでボランティアとして活躍しています。

「開所から12年、大倉山がどろっぷを受け入れて、育ててくれているのがとても嬉しいです。どうぞお気軽にお立ち寄りください!」(江口知佳さん)

(2)カフェミエル@夢うさぎ 認知症カフェ
大倉山7丁目3-3(電話:045-545-4862)
第2水曜14:00~

代表・鈴木智香子さん

認知症の当事者と介護者がふらっと来て、お茶を飲みながら自由におしゃべりできる「カフェ」。専門職が同席するので、小さなことも気軽に相談できる。

「自分が介護していた時は2人で気軽に出かけられる所がありませんでした。認知症への偏見をなくし、安心して暮らせる街に、と思います」(代表・鈴木智香子さん)

(3)大倉山の”人”と”縁”をソーシャルで結ぶ 大倉山おへそ
大倉山2丁目5-11(電話:045-717-6778)
開所日:月~金 10:00~16:00

共同代表・小澤麻美さん

オムツ替え台、車いす対応に加え、手作り作家などのボックスショップや、カフェコーナー、無料休憩スペースを設置。

「商店街のイベント企画や地域の情報発信も積極的に行っています。レンタルスペースやコワーキングスペースとして地域・サークル活動や講座開催、また仕事にも活用していただけます」(共同代表・小澤麻美さん)。エルム通り商店会と地域住民による共同運営。

(4)社会福祉法人かれんの原点 みんなのお店かれん
大倉山1丁目18-8(電話: 045-544-4021)
営業日:月~金 10:00~18:00

志村鈴代さん

「障がいのある人もない人も街の中で一緒に働いていかれるように」と立ち上げてから33年目を迎える自然食材のお店。

「食べ物は命を作るもの。ぜひ店番とのおしゃべりを楽しみながら、生産者の顔が見える本当の食材をお買い求めください!」(みんなのお店応援団代表・志村鈴代さん)

(5)地域食堂 ごはん屋MOGU
大倉山3丁目5-29(花屋&カフェ ラプティフルール)
営業日:毎週木曜11:30~14:00、17:00~21:00

代表・中川陽子さん

「木曜日はMOGUでね!」が合言葉の、主に中高生向け地域食堂。「もちろん、全年齢歓迎です!大人が食べてくれるおかげで子どもに安く提供できます。

メニューの”子ども定食”に『俺たち、子どもじゃないぜ!』とモノ申した高校生が考えたのが”U18″。即採用し “子ども/U18定食”にしました。塾行く前に、部活の後に、しっかり食べてね~!」(代表・中川陽子さん)(2018年7月現在、ランチ営業は行われていません)

(6)パンから始まる地域創生 TOTSZEN BAKER’S KITCHEN
大倉山2丁目1-11
営業日:月曜定休 7:30~19:00

代表・岸本拓也さん

「毎日の生活を”突然”楽しくすることがベーカリーの社会貢献」という想いを店名にした街のパン屋さん。

「大綱小学校の職業体験では、商品としてのパン作りを体験してもらうことで、パン一つでもたくさんの人が『想い』をもって関わっていることを伝えたいです」(代表・岸本拓也さん)

(7)4月から本格稼働した地域食堂 みんなの食堂
大豆戸町3-3シェモア大倉山1F カフェモア
営業日:毎月1回(FBを参照)17:30~19:30

代表・宇田川規夫さん

地域の有志から提供された食材を料理し、食べに来た人誰でも迎える地域食堂。

「過ぎたやんちゃを叱られた兄弟が次に来た時はお行儀がよくなっていたり、末っ子の2か月の赤ちゃんを抱っこしている間に4児のお母さんがゆっくり食事できたりと、積極的に”ちょっとしたお節介”をやいていきます」(代表・宇田川規夫さん)

(8)パパ達の情報交換及び交流の会 P35(パパサンゴー)
https://www.facebook.com/papa3go/

代表・浦瀬亘さん

男の育児がテーマの座談会「パパトーーク」開催をメインに、地域のお祭りへ出店したり、横浜駅伝に参加したりと、子育てパパの地域活動の入り口になっている会。

「30~50代のパパ達が中心ですが、プレパパやおじいちゃんなど”男”なら誰でも歓迎!地域で気の合う仲間を見つけて、好きなことを楽しみながら末永くつながっていかれたら、と思います」(代表・浦瀬亘さん)

(いずれも2017年6月21日現在の情報です)